2023年7月 8日 (土)

続・灯浮標15(2023.7.8)パーキンソン病看護日乗。或いはキリエ、憐れみ給うな。。

7月に入っても先月からの雨は止まない。断続的に或いは連続して、時に激しく時に音を消して降り続いている。

6日、7日と、Sは特に排便が思うようにならない。動かない体では、便座に腰を掛けるのも間に合わず、ここには書きにくい状況が展開される。本人の辛さはもちろんだが、それは介護者の負担を激しく増加させる。後始末とトイレの復元に相当の体力と時間を要するのだ。

また、例によって、むずむず症候群や、特に足先に強く現れるパーキンソン痛などによる睡眠障害も一向に収まらず、私は夜中度々起こされるなど、疲労感は積み重なるばかり。ついつい言葉もけんか腰になる。ほとほと・・・である。

さて、ちょうど昨日のブログで書いているが、私の創作「キリエ~京橋川の泥に塗れて~」の中では、ギャンブル依存症に纏わる部分が物語の結末に向かっての重要なファクターとなっている。

改めて、言うまでもなくパーキンソン病とこの依存症は深くかかわっている。(もともと、本ブログ「灯浮標、続・灯浮標」は、これまであまり公にはされていないパーキンソン病におけるギャンブル依存症の現実を記録することから始まっている。)

これこそが、パーキンソン病当事者と介護者(家族等)を強く苦しめ続けているのかもしれない、とも推察する。あくまでSと私の場合を振り返ってだが・・・。ただ、ここに、単に楽観主義では容易に看過できないこの病の深い闇があるのではなかろうか。多く、薬の副作用によるところが多いとか。改めて、このことは、医療や製薬開発の現場で、もっと重要視されるべきと思う。(尚、この病には、他に性的依存症や買物依存症なども見られるという。)

8日も雨。各地で被害が発生している。Sはデーサービスである。

日に日を乗せ、歳を重ね、拭っても拭っても老いは纏わり付き、雨に降られて季節は過ぎて行くばかり。感傷などでは決してなく、単に事実として。夕方、土砂降りの中、Sを迎えに行く。

2023年7月 7日 (金)

「私」を巡る三部作「キリエ~京橋川の泥に塗れて~」「蛙」「或いはH君のこと」についての若干のメモ。

私の永洋名義での数少ないと言うか、小説は実質この3作だけなのだが、纏わるメモを。ふと。

脱稿直後、この3作をそれぞれ数部づつプリントし、紐で綴じ、ホッチキスで綴じ、数人の友人にのみこちらから勝手に送りつけ、もう見返すことは読み返すことは無いだろうと思っていたのだけれど、本棚を整理していて、零れ落ちたこれらをぱらぱらと読み返せば、やはり胸苦しい程の思いが込み上げてくるのだ。当時、読んでくれた友人には、こっぴどく哂われたのだが・・・

いいよ、これで、・・・と言う気持ちがやはりある。まあ、記憶を記録しておくと言った思いもある、「わたくし小説」なのだから。

永洋<「私」を巡る三部作>

「キリエ~京橋川の泥に塗れて~」(2017.10.31~2020.10.17)

「蛙」(2016.7.6~2020.12.15)

「或いはH君のこと」(2006.12.30~2021.5.11)

「キリエ」の殆ど最後に(憐れみ給うな!)と記している。

まさに!である。

2023年7月 3日 (月)

続・灯浮標14.(2023.7.3)服用薬に対する不信感が、効きを低下させてはいないか。

今日は四週間に一度の、Sのかかりつけ医受診。

タリージェ錠に対するSの不信感。

声のかすれや出にくい状態をタリージェの副作用と判断しているSは、このまま継続することにためらいがあり、かかりつけ医と話して、結局服用中止に。

かわりに、以前服用していたリリカ錠を頓服として復活させる。

あいかわらず、オフ時間が多い。結局ウェリングオフ状態と言う事か。

昨晩もSに起こされている。日中も介護が増えている。

相変わらずと言うか、体力が悲鳴を上げているのだが替わりはない。

2023年6月27日 (火)

続・灯浮標13.[2023.6.27)各種申請手続き(更新等)集中。

5月下旬から7月に掛けては、各種申請手続き、更新などが集中する。

当事者にとっても、介護者にとってもかなり煩雑である。

もう少し、何とかならないのだろうかとは思うが、縦割り行政の現実を見せつけられる。

実際に窓口で申請したものを列記してみる。(郵送で済むものもあるのだが、確認したいことなどは、やはり担当窓口に直接出かけるのが無難なわけで。)

「重度心身障害者医療費受給資格更新申請書」5月31日提出。

「市高齢者在宅介護用品支給現況届」6月12日提出

「特定医療費(指定難病)支給認定申請書(更新)」6月19日提出

 *これには、かかりつけ医の診断書も添付。

「介護保険負担限度額認定申請書(更新)」6月26日提出

Sは相変わらずではあるが、このところ食後、排便後等の傾眠状態が以前に増して頻繁である。

血圧の変動幅は、以前のような意識消失に近い状態はほぼ無いが、それでもやはり安定はしない。

相変わらず夜中の多尿、幻覚、譫妄は多少ある。神経、精神ともに睡眠時が安定しない。

特に夜明け前から朝にかけて排尿後の始末(濡れた衣服、シーツ交換等)が忙しい。

私の介護に要する体力も不安なわけで、今後の視界は不良だ。

服薬に関して、これは以前からの傾向であるが、Sの自己判断で服薬パターンを変えている。

常にチェックしないと飲み忘れも時折ある。服薬量も難しい。

2023年6月13日 (火)

周傳雄「黄昏」の歌詞を日本語に訳しました。

今から20年以上前に中華圏で発売されてヒットした「黄昏」は、台湾出身のアーティスト周傳雄(チョウチュアンション)によるもの。20年の歳月を越えて今また、台湾、大陸を問わず中華圏を中心に、当時をよく知らない若者たちからの熱い支持を受けて、大きなうねりとなっています。

現在、周傳雄は54歳。この20年余りの間に大病を患うなど苦難を克服しています。

私なりにこの曲を日本語に意訳してみました。

只者ではないこのラブソングの魅力に私も惹かれて、訳しながら何か胸に迫る、不思議な「感覚」に囚われました。

(この詩には、複層的な意味合いを感じるのです。現在、台湾や大陸の若者たちが置かれている状況になにかしらフィットするものがあり、彼らの感情を強く揺さぶるのではないか、とも思うのです。私の勝手な推測ですが。)

(日本語訳)

 「黄昏」

      作詞:陳信榮 作曲:周傳榮 歌唱:周傳雄

出来過ぎた夏は行き 辛く悲しくいいことなんか何もなく

ハンドルを握ればあてもなく果てもなく

疾走する俺の感覚

終わりなき歌を歌おう 瞳を閉じて心鎮めよう

愛するほどに愛に囚われていつも傷つく

夜が来るから黄昏は美しい

忘れられない、お前の口から零れるサヨナラは鉄のように堅く

暗がりの中で灼熱の太陽に身を焼く錯覚

黄昏の地平線 別れの台詞がボーダーになる

永い夜に未練が忍び込む

忘れられない、お前の瞳から零れるカナシイ涙には望みなく

心乱れるまま熱い涙に火傷する錯覚

黄昏の地平線 幸せのピークが断ち切られる

愛は幻のように消える

                      (意訳:永洋)(2023.6.12.)


YouTube: 【周传雄】谢谢你们走进这场「黄昏」 2023 「念念不忘」演唱会 官方剪辑版

2023年6月11日 (日)

続・灯浮標12(2023.6.11)パーキンソン病3.3

さして考えなくとも容易に想像はつく。

そう、老いて学ぶまでも無く。

Sを介護している私か先か、あるいはSか。

余命は尽きる必ず。

その日の為に、手だてがあるか否か。だが・・・・

ネット検索をしていたら、ある神経内科医の話として、

パーキンソン病患者の余命について、

幻視のくり返し出現から平均4.1年、

認知症発症から平均3.3年、

施設介護が必要となって平均3.3年で死亡だとか。

また、主な死因は、誤嚥性肺炎、脱水、腎機能障害、腸閉塞、等々。

(出典:ニューロテックメディカル「パーキンソン病の末期症状と余命」より)

眠れないまま時間は過ぎる。人生は疲労を刻み続けている。

日付が変わった午前零時58分、Sから電話。

尿がこぼれたズボン、紙パンツを着替えさせる。

午前5時36分、再び着替えさせる。

今日も洗濯多し。

空は曇天。

朝9時。血圧91-49.腕を替えて再計測も77-52.脈拍61.

リビングに横たわらせる。

1時間後 113-65、脈拍47.酸素量は95.

やっと落ち着く、遅い朝食。

このくり返しは、不安でしかない。

2023年6月 7日 (水)

「ミント ~mint~」LULU&tonys

6月1日のこのブログに投稿した「ミント~mint~」。

その曲をユーチューブにアップしました。試作ですが聴いてみてください。

「ミント~mint~」

作詞:AZMI 作曲:KAMAL 歌:Lulu&tonys


YouTube: 「ミント〜mint〜」(試作)

2023年6月 6日 (火)

続・灯浮標11.(2023.6.6 )陥落か、なあ・・白旗は何処?

2023年6月5日朝5時。

紙おむつから漏れて、倒れた飲料水ボトルと一緒になった尿と・・・。

ベッドの上の2枚の防水シートは大きく濡れている。

濡れたSを動かし、上から下まで全て着替えさせる。

午前9時45分~11時15分。介護ヘルパー。

午後12時15分。Sを車に横たわらせて出発。

1時~2時。Nリハビリ病院で言語リハビリ滞在。

3時。かかりつけ医、M神経内科。4週間ごとの定期診療。不眠、むずむず症候群、足のパーキンソン痛、有効な処方が無し。次の患者が待っておられるからと、退室を促されS不満。

帰途、S,急な便意。結局、車中で紙おむつに排便。帰宅後も排便止まらず。

下半身、汚れる。シャワーで流し、全身着替えさせる。後始末も時間が掛かる。

翌6日未明3時、階下からSが私を呼ぶ。

紙おむつに排尿が嫌だからと、尿瓶にも排尿が出来ず、ベッドの上もS本人も尿まみれ。

ベッドのシーツや防水シーツも全て変える。

S本人もマドパーを半錠飲ませて、全身着替えさせる。

疲れ果てた先に何があるのか。自問。答えは無い。

今日は、S、デーサービス。

その間に私は、3か月ごとに通っている市内の泌尿器科へ通院。

前立腺肥大。通常の2倍半、とか。

帰宅後、少し休んでデーサービスのSを迎えに行く。

2023年6月 5日 (月)

6月3日の海辺の風景から。

2023年6月3日土曜日。

ここ数日降り続いていた雨も昨晩止み、久しぶりの快晴、というわけでふと思い立ってお昼前、県境を越えて島根の海までドライブ。片道約122キロ余り、地道で地道にゆっくり約2時間45分。

いつもの海浜は、釣り人やサーファーが数人だけ。

いつものように風力発電の巨大な風車が列をなして旋回していました。

まだ泳ぐには早く波も高め。しばしぼんやり。

Img_7124

2023年6月 1日 (木)

6月の「ミント ~mint~」。

風待、伏月、早苗月。6月。

雨に濡れた緑が目に優しい。

2月に書いた短い詞に昨夜、曲を付けてもらいました。取り敢えず今回は詞だけアップ。

曲はまた後日。

 「ミント ~mint~」

               詞:AZMI 曲:KAMAL

(1)

ミントちぎって 浮かべた

澄んだ カップに

わたしの顔が 揺れている

ちぎって 捨てた

ほんのきのうまでの あれこれ

けさの空気に かおり立つ

胸のたかまり

はじめましょうか

またはじめから 恋でも

(2)

けさの日差しに とけて行く

胸のせつなさ

はじめましょうか

またはじめから・・・・

またはじめから・・・

              (2023.2.8)