« (5)咲(わら)う、緑陰。 | メイン | デオデオ本店新館とLABI広島をちょっと比較してみた。(中文) »

2012年7月23日 (月)

殿敷侃(Tonoshiki Tadashi):彼の叙情は感傷を内包しない。

下関市立美術館所蔵品展

「没後20年・殿敷侃(Tonoshiki Tadashi) 特集展示」を、

開催最終日前日、2012年7月21日に下関市立美術館で観覧しました。

殿敷侃(1942~1992)は、広島市に生まれ、原爆により被爆。

1971年に転居した山口県長門市を拠点とし、制作活動を死の直前まで続けます。

自らの被爆体験、そして父母の死を原点に、絵画、版画などの他、数々の先鋭的なインスタレーションを発表。

特に、インスタレーションは、現在では恐らくその実現が困難と思われるもので、それらは、昨年から続く3.11に係わる様々な現実、そしてドキュメントを、20年以上前に予言していたのではないかと思えるほど。

さらに言えば、現代におけるインスタレーションは、彼に始まり、彼によって既に終わっているのではないかとも。

インスタレーションのタイトルだけを、少し列挙します。

「まっ赤にぬられてヒロシマが視えた」(1987年:平和記念公園 広島市)

「TYRE BEARING TREE」(1989年:長門市)

「TVバリケード・山口」(1989年:山口市)

「OOSOTOGAKE」(1989年:ア・カペラホール 山口市)

「田園交響楽(包囲された土)」(1990年 長門市)

「森と漂流物が愛し合った時」(1991年 板橋区立美術館)

「対峙する墓標」(1991年 水戸芸術館現代美術ギャラリー)

「夢装置」(1991年 夢岬プロジェクト 山口県油谷町川尻岬)

「山口-日本海-二位ノ浜、お好み焼」(1987年 長門市)

「DREAM FENCE PROJECTO(学校の解体が「森」に生まれかわる時)」(1988年 草花舎、益田市)

「蘇生する木」(1991年 Wave、長門市)

さて、下関市立美術館と道を挟んで、「長府庭園」があります。

画像は、その池に咲く孫文ゆかりの「孫文蓮」です。

蓮の開花は、午前中にご覧ください。

1207211

「ホギリート」更新

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.enjoy.jp/t/trackback/502667/29416361

殿敷侃(Tonoshiki Tadashi):彼の叙情は感傷を内包しない。を参照しているブログ:

コメント

蓮、開く瞬間。綺麗でしょうな・
なんでも、瞬間が美しい。
またコノ国はオリンピックに沸く。
メディアに煽られ・

いろはの・・いさん。
こんばんわ。
コメ、うれしいです。
耳を澄ませたら、
開く瞬間、音がするような、いや、しないような・・・。

コメントを投稿