続・灯浮標43.眠る男。(或いは眠り続ける男。)パーキンソン病の執着と終着。
先日、SとSの友人と、私の運転でペット霊園まで、かれこれ一年以上になるだろうか久しぶりに墓参した。ペット霊園にはSの飼っていた愛犬3匹、Sの友人の愛犬1匹が眠っている。我が家からは高速道のアクセスもなく、途中の休憩も含めて約2時間ほどの道のりだ。往路は、後部座席を倒してフルフラット状態にしてSを寝かせた。良い天気で、Sも現地ではちゃんと合同墓にお参りもできた。問題は復路。ペット霊園近くの焼き肉店で遅めのランチをとり、こんどはSが助手席に座りたいというので座らせはしたのだが、それから2時間、全く起きない。多量の涎がたれ続けている。揺さぶっても声をかけても全く起きない。状態としては、起立性低血圧、突発性睡眠、或いは気絶。そんな様子なのだ。ただ、顔の血色は良く、脈も60程度ある。途中コンビニで休み、どうにか2時間余りをかけて自宅に着いた。直後の血圧は80~53。到着まもなくSは目覚めて、自分の足で歩行器を押して家に入ることができた。こうしたことは初めてではないが、やはり不安になる。
医師や看護師に話すが、そうそう解決策はない。パーキンソン病によくある症状ではある、らしい。帰路、ずっと助手席に腰かけていたのが、直接的にはまずかったのか。(医師によれば、血流、或いは水分が下半身に下がって体調に影響を及ぼした可能性あると。)座席に座るのは、過去の経験からしてせいぜい1時間以内か。それ以上はやはり後部席をフルフラットにして寝かせる方が無難なようだ。
今年に入って、日中、眠り続ける時間が圧倒的に増えたような気がする。また幻覚も連続して昼夜を問わない。やがては、我に返ることもなく、ほとんど毎日を眠り続けることになるのだろうか。それでも本人は、まだまだやりたいことがあるようなのだ。その執着は強い。
Sは昨日から2泊3日のショートステイ。深夜2時過ぎにSから要領を得ない電話。ショートステイ先のスタッフさんに電話をかけ、Sを見に行ってもらう。6時前、再びSから電話。どうも夢か幻覚の世界にいるようだ。
私は、眠れない。
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