« コロナワクチン7回目接種!(金木犀が薫る夜。の副反応) | メイン | 続・灯浮標20.パーキンソン病と共に歩む。発達障害的?なあれこれについて。 »

2023年10月16日 (月)

HIRO訳 漢詩31.李商隠「<無題二首>其の二」(重帷深下莫愁堂)

久しぶりのHIRO訳 漢詩です。

今回は李商隠(813?~858?晩唐、詩人)の、「重帷深下莫愁堂」から始まる七言律詩「<无題二首>其二」を訳して、投稿ました。

この中には金木犀も詠まれており、季節も丁度良いかと思ったわけです。尚、この漢詩の第二句「卧后清宵细细长」が、近代中国の文学者、俞平伯(1900~1990)の散文「浆声灯影的秦淮河」(櫂の音に灯影の揺れる秦淮河)に引用されています。

(原詩)

  李商隠「<无題二首>其二」

重帷深下莫愁堂,卧后清宵细细长。

神女生涯原是梦,小姑居处本无郎。

风波不信菱枝弱,月露谁教桂叶香?

直道相思了无益,未妨惆怅是请狂。

(HIRO訳)

 李商隠「<無題二首>其の二」

幾重のとばり深く館に莫愁(*)の面影あり、

横たわれば宵はしずやかにしてひたすら長い。

仙女は私の生涯も夢にしかあらずと語り、

あの娘の住まいにあなたはとうにいないとも。

風に波立つ池の菱は揺れ惑い、

月の雫は木犀の葉末に香りを伝える。

一途に思い続けても無益だが、

うち萎れた私を覆うのは愚かな反骨かも。

(2023.8.19)

*莫愁(ばくしゅう):古代中国の美女。

写真を二枚添えます。

「菱」は、広島市植物公園で2023年8月19日に撮影。

「金木犀」は、我が家の玄関先で2023年10月14日に撮影。

Img_7663

Img_7908

コメント

コメントを投稿