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2010年11月30日 (火)

冬の度に、冬の旅。

今年の11月もあと数日で終わる数日前の午後、吉和から小瀬川渓谷に掛けて、ドライブをした。

既に紅葉は終わり、枯葉もそのほとんどが散り果てていた。

カレンダーに関係なく、冬。

日没に追われて、帰宅。

部屋の隅でカセットラックが埃を被っており、ふと、手を伸ばして取り出したのが、「冬の旅」。

この古いカセットテープ、一体何度聴いたことだろう。繰り返し繰り返し。記憶は定かではないが、購入してからおそらく20年以上にはなるだろう。

どれだけ心癒されただろう。どれだけ寒さに震えただろう。仕事終わりの車の中で、寝付けない部屋の片隅で、繰り返し聴いたものだ。ドイツ語で、意味は分からず、それでも、心に忍び込んでくるものがある。

今の今、こうして、ラジカセから聴いていても、変わらない。

シューベルト作曲 歌曲集「冬の旅」。私は、私が持っているこのカセットの、ハンス・ホッターのバリトンによるものがいちばん好きだ。

「おやすみ」、「凍る涙」、余りにも有名な「ぼだい樹」、布団のぬくもりと共に「春の夢」・・・・。そして終曲「辻音楽師」。1969年、日本公演の際に録音されたものだ。

雪の荒野の向こうに深い森がある。

ライナーノーツを読み返してみると、シューベルトは1828年、11月19日、31歳で世を去っている。

ちょうど、今頃ではないか。

それから200年近く立つのに、シューベルトの時代の人々が知る由も無い異国の片田舎にあって、これらの歌に今も私は手をかざして、耳を傾けて、暖まろうとしている。

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