冬の度に、冬の旅。
今年の11月もあと数日で終わる数日前の午後、吉和から小瀬川渓谷に掛けて、ドライブをした。
既に紅葉は終わり、枯葉もそのほとんどが散り果てていた。
カレンダーに関係なく、冬。
日没に追われて、帰宅。
部屋の隅でカセットラックが埃を被っており、ふと、手を伸ばして取り出したのが、「冬の旅」。
この古いカセットテープ、一体何度聴いたことだろう。繰り返し繰り返し。記憶は定かではないが、購入してからおそらく20年以上にはなるだろう。
どれだけ心癒されただろう。どれだけ寒さに震えただろう。仕事終わりの車の中で、寝付けない部屋の片隅で、繰り返し聴いたものだ。ドイツ語で、意味は分からず、それでも、心に忍び込んでくるものがある。
今の今、こうして、ラジカセから聴いていても、変わらない。
シューベルト作曲 歌曲集「冬の旅」。私は、私が持っているこのカセットの、ハンス・ホッターのバリトンによるものがいちばん好きだ。
「おやすみ」、「凍る涙」、余りにも有名な「ぼだい樹」、布団のぬくもりと共に「春の夢」・・・・。そして終曲「辻音楽師」。1969年、日本公演の際に録音されたものだ。
雪の荒野の向こうに深い森がある。
ライナーノーツを読み返してみると、シューベルトは1828年、11月19日、31歳で世を去っている。
ちょうど、今頃ではないか。
それから200年近く立つのに、シューベルトの時代の人々が知る由も無い異国の片田舎にあって、これらの歌に今も私は手をかざして、耳を傾けて、暖まろうとしている。
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