灯浮標3(2022.2.19)或る依存症の夏から(続)。或いは蹌蹌踉踉として。
「蹌蹌踉踉」。内田百閒を読んでいて出くわした言葉。
日付が18日から19日に変わった夜中12時。階下からの携帯電話に今夜も起こされる。
両腕を揉んでやる。両足をさすってやる。
Sは典型的なパーキンソン痛に悩まされている。
それに連日連夜付き合わされている私の神経もまた、疲れ切って24時間の果てしない介護の果てに、なんだかぼんやり「破滅」の文字が浮かぶ。
結局ね、介護者の方が先に倒れるのよ。とやはり長くパーキンソン病の夫の介護をされていた知人の言葉だが、そう、既に私の精神はそれだ。
ギャンブル依存症のSを何度諌めても全く治らないまま、4年5年6年・・・・肺に膿が溜まる「膿胸」で入院し、退院した年末。その翌年初めから日本でも新型コロナウィルスが猛威を振るい、やっとパチンコ通いは鳴りを潜めたのだが、ギャンブルの火はくすぶり続けているのだ。
宝くじ売り場への日参。
そうそうろうろう。私は、よろめきながら生きている。ただ、酒の一滴も飲まずにだが。
(以下次回)
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