「メンフィス」再演を、♪祈ろう!
今年1月30日からの東京公演を経て、今日の福岡公演最終日で、ブロードウェイミュージカル「メンフィス」は、大盛況の内に大千秋楽の幕を降ろしました。
フェリシアのお兄さんデルレイ役で出演されていたジェロさんも、お疲れ様でした。
私は、昨日、博多のキャナルシティ劇場で、マチネを観劇しました。これまで、そんなに数多く(20数本ぐらいかなあ。)ミュージカルを見てきたわけではありませんが、私の中では、遥か何十年前に、大阪の今はもうありませんが梅田コマ劇場で見た森重久弥さんの「屋根の家のバイオリン弾き」以来の感動でした。何と言っても、ラストは一階席二階席ともほとんどオールスタンディングですから!
生演奏で、キャストのアンサンブルというかチームワークも好く、もちろん実力も凄いものがあり、さらには、舞台美術も、テーマを反映させてよく考えられていました。
黒人に対する人種差別が、国家権力で合法化されていた時代のアメリカにあって、そこに音楽の力で風穴を開けようとした一人の白人DJの若者ヒューイ(山本耕史さん)。そhしてその若者に惹かれていく黒人女性のフェリシア(濱田めぐみさん)。フェリシアを見守る兄のデルレイ・・・・・。
さらには、わきを固める登場人物一人一人、しっかりとその性格や役割をもって、ミュージカルが構築されていました。
あっ、もちろん上質のエンターテインメントです。文句なく楽しめます!
数多くの感動的で印象的なシーンの中から、私の心を震わせた場面をひとつご紹介します。(台詞は正確じゃありませんのでご容赦を。)
1幕でヒューイは、何度もフェリシアの兄のことを「本当は俺が嫌いじゃない」と半ばおちゃらけながら言います。そして2幕目、幕切れ近く、今度はデルレイがヒューイに(フェリシアの婚約者ビルが)「大嫌いなんだ」と言います。ここには、デルレイの白人とか黒人とか、人種を超えたヒューイに対する心の底からの信頼感というか、おそらく友情ではないのだろうけれど友情に限りなく近い何かがあると思ったんですよね。「フェリシアにふさわしいのは、ヒューイ、お前なんだぞ!!」といったニュアンスが、あの言葉の背後にはあるような気がして、私は、胸が熱くなりました。
(あっ、ごめんなさい。観てない方にはなんのこっちゃ!でしょうけれど。)
それにしても、全員の歌唱力、踊り、台詞、演技!!YAY'EDさん、吉原光夫さん、原康義さん、根岸季衣さん!そしてアンサンブルのお一人おひとり、みんな、凄かったなあ!
再演を、♪祈ろう!・・・
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