湖畔の菩提樹。
先日まで預かっていた犬たちの匂いが残っている。ふと、懐かしい。
さて、以下は、今年2012年8月6日の、広島市長による「平和宣言」(平和記念式典で市長が世界に向けて読み上げるものです。)からの抜粋です。宣言文全体の約三分の一程度を割いて述べられている、2011年3月の福島原発事故に関わる部分です。
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2011年3月11日は、自然災害に原子力発電所の事故が重なる未曾有の大惨事が発生した、人類にとって忘れ難い日となりました。今も苦しい生活を強いられながらも、前向きに生きようとする被災者の皆さんの姿は、67年前のあの日を経験したヒロシマの人々と重なります。皆さん、必ず訪れる明日への希望を信じてください。私たちの心は、皆さんと共にあります。
あの忌まわしい事故を教訓とし、我が国のエネルギー政策について、「核と人類は共存できない」という訴えのほか様々な声を反映した国民的議論が進められています。日本政府は、市民の暮らしと安全を守るためのエネルギー政策を一刻も早く確立してください。また、唯一の被爆国としてヒロシマ・ナガサキと思いを共有し、さらに、私たちの住む北東アジアに不安定な情勢が見られることをしっかり認識した上で、核兵器廃絶に向けリーダーシップを一層発揮してください。そして、原爆により今なお苦しんでいる国内外の被爆者への温かい支援策を充実させるとともに、「黒い雨降雨地域」の拡大に向けた政治判断をしてください。
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これは・・・あまりに酷い。どこか見知らぬ遠い国で起きた原発事故かと錯覚させるような、まるで他人事ではないか。平和宣言の冒頭部分に引用してある、体験者による原爆のその惨状の証言は、いったい何のためなのか。よくも、『・・・皆さん、必ず訪れる明日への希望を信じてください。私たちの心は、皆さんと共にあります。』などと、言えたものだ。
自らの立ち位置を明確にせず、さらには、ことの本質を曖昧化するこうした文章に、力は無い。
画像は、広島県の土師ダム湖畔に自生している、一本の菩提樹(チュウゴクボダイジュ)です。
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